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こういう言い方は意外かもしれませんが、企業や機関投資家がとうてい負えないようなリスクを個人は負うことができるのです。
損して痛手を被ったら、正々堂々と損失の記憶を翌年に飛ばしてしまえばいいのです。
こんなことは機関投資家にはできません。
個人投資家にしかできないのです。
「たしかにオレは株で損しているさ。
でもあなたとは関係ないでしょ。
これはオレの余裕資金を使った株式投資なんだから……」こういった吐のくくり方こそ個人投資家の強みなのですから、この強みを最大限活かして勝負するしかないのです。
機関投資家だとこうはいきません。
かれらは、運用を委託した資金提供者から、毎年5%とか6%の投資収益、あるいは、ペンチマークの2%上のパフォーマンスをすることを目途に資金を任されています。
その意味で、その利率で惜金をしているのと同じなのです。
このコストを上回る運用成果が求められ、そのプレッシャーの中で運用をしています。
個人投資家であれば、そんなプレッシャーを感じる必要がありません。
もっと冷静に長期的な視点から投資ができます。
ペンチマークなど関係ないのですから。
個人投資家にとっては、インデックスとの相対評価などどうでもいいことなのです。
長期にわたって、少しずつ成績が積み上がっていけばいい、と割り切ることができます。
経済評論家のM氏から、東京通信工業が「S」と社名を変えた頃の話を聞いたことがあります。
当時、M氏は1万5000円の月給だったそうですが、S株を最低単位買うには25万円も必要でした。
結構な大金です。
でも車に目がなかったM氏は、60万円で発売されたばかりだった日産自動車のブルーバードを借金して買ってしまったそうなので、S株を買おうと思ったら買えないことはなかったのです。
人生とは皮肉なもので、もしもあのとき、25万円でS株を買っていたなら、現時点では5億円以上の価値になっていたそうです。
「ブルーバードじゃなくて、S株を買ってれば、今ごろ南の島で悠々自適の生活を送っていたんだけれどなあ」と嘆くことしきり。
じつは、それに近い話はごろごろしています。
例えば、20年前に起こった世界的な株価暴落、ブラックマンデーの直後に、Nの株式を1000株買っていたとしましょう。
当時約800万円だった投資金額は、いまでは1億5000万円ほどにふくらみ、受け取った配当額だけで700万円近くになっているのです。
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